猫ってどんな動物?知れば、猫との生活がもっと快適に楽しくなる。
猫を暮らしてみたいとは思うけれど、また猫と暮らし始めてみたけれど、実は猫って、どんな動物が知らないという人は少なくないでしょう。猫って、どんな動物?その行動の特徴や習性を知ると猫への理解が深まり、猫との生活がより快適にもっと楽しくなるはず。この記事では、猫をよりよく知るために猫の行動の特徴や習性を説明します。
目次
- 人より早く年をとる猫の寿命はどれくらい?
- 猫は小さなハンター、肉食動物
- 猫は高いところや狭いところが大好き
- 猫の先祖は砂漠生まれ、水分補給がとても大切
- 猫はとてもきれい好き、トイレにも神経質
- 猫がすり寄ってくるのはマーキング!
- 猫が一生懸命に爪とぎをするのはなぜ?
- 猫はよく寝る。子猫は20時間も
- 猫は単独行動を好み、なわばり意識がある
- まとめ
1. 人より早く年をとる猫の寿命はどれくらい?
猫は人間よりも年をとるのが早く、猫の1歳は、なんと人間の15歳!2歳で24歳になり、その後1年ごとに人の4年分の年をとるそうです。
最近では、飼い主の意識が高くなり、獣医学もめざましい進歩を遂げ、そしてバランスのよい栄養の整ったキャットフードが普及するなどで飼い猫の寿命は延びています。平均寿命は15歳、人でいえば76歳。人の96歳を超える20歳になる猫も少なくないといいます。
ただし、これは室内で飼われている猫の話。野良猫や屋外飼育の猫は交通事故の確率も高く、平均寿命は5~6歳といわれています。
やはり、長生きしてもうらためには、室内で飼うことの方が圧倒的に有利です。ただ、あっという間に飼い主さんの年を追い越してしまいますので、猫の年齢を考えて、ケアすることが大事です。
2猫は小さなハンター、肉食動物
猫は、ライオンやトラ、ヒョウなどの仲間。もともとは狩りをして獲物をとらえるハンターの肉食動物です。人との付き合いも、猟犬や番犬として飼われていた犬よりもかなり遅く、猫が人に飼われ始めたのは、ネズミなど小動物が発生して人に被害をもたらした時のことでした。
狩り本能は今でも残っていて、ねこじゃらしのように動くものを見つけると反射的に体が動きます。飼い猫でも、外で過ごすことがある猫は、ネズミやトカゲ、昆虫を捕獲します。食べかけのお土産を持ち帰り、飼い主をびっくりさせるなんてこともあります。しかし室内で飼われている猫には、ハンティングする機会はありません。狩猟本能を満たす遊びをさせて、運動不足やストレスを解消することを考えてあげましょう。
3猫は高いところや狭いところが大好き
猫は塀の上やキャットウォークといわれるような、高いところが大好き。また一方で、家具の隙間や押し入れの中など、暗くて狭いところに入りたがります。ともに野性時代の本能のなごりです。猫も獲物になるような弱肉強食の世界では、猫にとって見晴らしがよい高いところは、外敵から身を守りやすく安全な場所です。また同時に獲物も見つけやすいところでもあります。猫が高いところから飛び降りる美しい身のこなしは、そんな習性からきているのでしょう。また狭いところも同様で、背後左右をかこまれる洞穴のようなところに身を潜めて、獲物をうかがっていたのでしょう。
そんな猫の習性を理解して、室内に猫の過ごしやすい場所を作ってあげましょう。
4猫の先祖は砂漠生まれ、水分補給がとても大切
猫の先祖は、砂漠地帯に住んでいたリビアヤマネコといわれています。砂漠地帯では、水分を無駄にできないので、リビアヤマネコは尿からできるだけ水分を再吸収する必要がありました。そのため、水をあまり飲まなかったようです。水分を十分に取らないと、尿の量は少なくなり、色が濃くなります。そして、便もかたくなります。今でも猫はその先祖の特性を受け継いでいて、腎臓や胃腸に負担がかかり、腎臓病や便秘にかかりやすくなります。特に猫は中高齢になると腎不全になりやすいため、水分補給には特に注意をはらい、いつも清潔な器に新鮮で清潔な水を用意しておくようにしましょう。
5猫はとてもきれい好き、トイレにも神経質
人はお風呂に毎日でも入りますが、基本的に猫は入りません。それでも猫はきれい好き。いつも体を舐めるようにしたり、前足で顔を洗うようにしたりしています。この毛づくろい、グルーミングは、自分の臭いを消して獲物や敵に気づかれないための習性だといわれています。猫の舌にはトゲトゲがあり、くしを使うようにすいて、細かい汚れまで取り除くことができます。ただし、毛の長い品種や皮膚病のある猫は、お風呂に入れる必要があります。
また、不安やストレスが続くと、度を越して絶えず毛づくろいを行うようになりなす。毛が抜けてしまうこともあるので、気をつけましょう。毛づくろいの他に、体を清潔に保つため、猫はトイレに神経質です。排泄後はウンチやオシッコを砂に埋めて隠します。またトイレが汚れていたり、猫砂が気に入らなかったりすると、使わなくなることがあります。こんな習性を知つて、注意して見守りましょう。
6猫がすり寄ってくるのはマーキング!
猫が足にすり寄ってくるのは飼い主に甘えているように見えますが、ほんとうの目的は自分の臭いをつけることです。猫の体にはフェロモンを分泌する臭腺があり、飼い主だけでなく、家具や柱に顔やわき腹をこすりつけてマーキングしているのです。そして、自分のなわばりが自分の臭いで満たされると安心します。
この他、特にオス猫はフェロモンをオシッコに混ぜて、尾を上げて柱などの対象物に霧吹きのように噴射します。これもマーキング行動です。最近の研究によると、この猫の尿マーキングは、性行動の他に不安やストレスを感じた時にもすることが分かりました。去勢手術をすると、90%近くは尿マーキングを止めるそうですが、10%近くが止めない理由は不安やストレスが原因と考えられています。
7猫が一生懸命に爪とぎをするのはなぜ?
猫が一生懸命に爪をといでいる姿もかわいいものですが、壁や大事な家具など家の中、どこでも爪とぎをされては困りもの。猫の爪とぎには、主に3つのワケがあります。一つ目は、狩りをしていた時の習性の名残です。爪は獲物をとらえたり、自分を守ったりする武器。常にといで、鋭く磨き上げているのです。二つ目はマーキングです。猫の肉球には臭腺があるため、爪とぎをすることで、自分の臭いをつけて、なわばりを主張しているのです。
三つ目は、猫はストレスを発散したり、気分を落ち着かせたりするために爪をとぎます。そのため、爪とぎを止めさせることは、猫にとってはかなりつらいこと。止めさせることではなく、爪をとぐための環境を整えてあげましょう。
8猫はよく寝る。子猫は20時間も
猫は、夜行性とうよりも薄明薄暮(はくめいはくぼ)性。獲物となるネズミや鳥の動きに合わせて、明け方や夕暮れの薄暗い時間帯に活動します。早朝に鳴き声を上げて飼い主を困らせる猫がいるのもそのためです。しかし室内で飼われている猫の場合、飼い主が寝ている時間は一緒に寝ている猫も多いよう。その他の時間は、おとなの猫で1日14時間から15時間、子猫や年をとった猫では、なんと20時間も寝ています。
これは、野性時代のなごりです。ライオンやヒョウなど肉食動物は、狩りにそなえて体力を温存するため狩り以外の時間は寝て過ごします。ただし、ほんとうに深い眠りについているのは3~4時間で、あとは浅い眠りです。いつでも狩りができるように、うとうとしながら、獲物や身に危険がせまった時すぐ反応できるようにしているのです。そのため、猫は、ちょっとした物音でも目を覚まします。
9猫は単独行動を好み、なわばり意識がある
集団生活をしてきた犬とちがって、野性時代から単独で生きてきた猫は自由気まま。協力したり、服従したりはしません。甘えたい時には甘えて、飼い主が遊んであげようと思っても知らんぷり。人の思う通りにはいきません。猫は、単独行動を好むため、なわばり意識が強く、自分のなわばりの安全をたもつため、定期的に見回りをします。そして猫同士、お互いのなわばりを認め合い、適度な距離感を保って暮らしています。この習性は、室内で飼われている猫にも残っています。家の中を見回り、自分の臭いをつけてマーキングし、他の猫が侵入すれば怒ることもあります。ただし、複数の猫が飼われている場合、狭くても餌が豊富であれば、争い合うことはしません。
10まとめ
室内で飼われる猫の寿命は長く、平均15年くらいといわれています。そんなに長く、命あるものと暮らすためには、それなりの覚悟が必要ですし、責任がともないます。それをしっかりと受け入れれば、猫はかけがいのない友あるいは家族となり、人生を豊かなものとしてくれるでしょう。